pilicy1古来より現在まで、住まいにおいて自然との関わりを大切にしてきた文化があります。

それは、西洋の石の文化とは対照的に、主として木と土と紙など自然となじむ材料を使い、縁側で庭を眺めゆったりした時間をすごしたり、獅子おどしや水琴窟など雨音を変化させ楽しんだり、そして、障子にうつろう紅葉の変化を楽しむなど、四季折々のその時、その瞬間を感じ取り、打ちに取り込む工夫を凝らしてきました。

policy4また、茶室のように、一輪の花を楽しむために、床柱の釘の位置や柱の寸法のバランス、光の取り込み方や、それに至る時間の流れにいたるまで、そのデザインと所作を追求しその様式化までおこなっています。

建築用語で「間取り」という言葉がありますが、その意味するところは、部屋のレイアウトだけでなく、家族との間、世間との間、夫婦の間、仕事とプライベートの間、自然と人間との間、というように相互間にある空間、距離、時間といった図りづらいファジーでデリケートな部分の意味でもあると思っています。
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建物において、人間が健やかに生活していくためには、土壁や木炭などの素材を用いて肉体的に健康的な住まいを計画する事はもとより大切なことですが、社会や家族、自然とのかかわりの間を円滑に保ち、そこに住む人が日々楽しく暮らしていくために、相互の間に中間的領域を作ったり、思いもかけぬ仕掛けをしつらえたりすることが必要であると考えます。

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例えばそれは、通り庭や縁側や土間であったり、囲炉裏や暖炉や光庭であったりします。
緑、光、風、雨、火、木、土、それぞれの持つ力、さわやかさ、落ち着き、和み、におい、陰影、揺らめき、暖かさなど、それらの持つパワーや特徴を効果的に使うことが、私なりの解決法だと思っています。

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